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VATE:考えることで、新しい意味を見つけていくと。

 

そうですね。「評論」っていうジャンルがあるというのも初めて知って、今はあんまり評論とかって言わないけど、評論文・批評文って面白いなって思ってましたね。

 

VATE:大学時代はどのように過ごされていましたか?

 

大学時代は音楽をやってましたね。ただリクリエーションの延長みたいな感じでしたけど。ただその一方で何か文化に関することを勉強したいなと思ってましたね。日本文化って何だろうとか。

 

VATE:やはり考えることからは逃れられないと。

 

日本文化の独自性とは何だろうかっていうことを考えたかったんですけど、結構、出られないところに行ってしまって。

 

VATE:考えすぎちゃったんですね(笑)。

 

そもそも「考える」って何だろうみたいな(笑)。そこでもう4年間終わってしまったっていう感じです。

 

VATE:「何々とは何か」っていうのをずっと考えていたわけなんですね。

 

デザイナーさんだったらイメージを出す、頭ん中にイメージが浮かぶってのもあるけど、僕たちコピーライターは言葉で考えるじゃないですか。その言葉っていうツールは一体何なんだっていうことで卒論を書きまして、それは本当にコピーライターにも繋がってるし、卒論でまとめた考え方は今の自分にも生きてます。

 

VATE:将来コピーライターになるために哲学を勉強なさっていたんですか?

 

いや、そういう訳ではなかったです。コピーライターとか広告の仕事がある事に気付いたのは本当に大学3年生ぐらいでしたから。

 

VATE:コピーライターという仕事を見つけられてからは、そこに向かっていかれたと。

 

そうですね。その時に大きくどんなことを感じてたかというと、今はテクノロジーで世の中が動くってみんな言ってますけど、当時は「メディア」と「表現」で世の中が動いてたと思うんですね。20世紀、特に80年代後半。広告も面白かったし、映画も面白かった。世の中に資金的な余裕もあったから、実験的なことがたくさん行われていました。