「南蛮事変 @ 妙心寺 春光院」
写真:NAOKI MIYASHITA
企画:voice of KYOTO
voice of KYOTO

VATE:お店にある商品は嘉戸さんが考えられた商品なんですか?

 

それもありますが、わりと奥さんからの提案で、こういうものがあったらいいんじゃないかってものをつくって置いてますね。ポチ袋とか、メッセージカードとか。

 

VATE:シンプルなものが多いですよね。

 

できるだけ加工はしたくないんです。紙ものってどんどん加工していくんですよね。加工って入るたびにコストが上がっていくし、出来るだけシンプルに作れるものがいいんです。そう考えると、けっこう作れるものって限られてきて。

 

VATE:なるほど。

 

僕の仕事は技術を売る事だと思ってるんです。刷ったり、染めたり、便箋だったら便箋でシンプルにして、あとは新しい絵の具を調合した新しい色で染めるとか、新しい木版を考えるとか、そっちの方向で幅を広げていけたらなと思ってます。

 

VATE:いまやっていて面白いことってなんでしょう。

 

一番ベーシックな仕事ですね。襖が一番ですかね。

 

VATE:襖ってベーシックな仕事なんですか?

 

唐紙はね。あくまでも個人的な意見ですが「こういう唐紙が面白いですよ。」というのではなくて、唐紙の在り方ってお客さんが先だと思うんです。

 

VATE:お客様が先とは?

 

例えばお寺さん、住職さんとかお茶の先生。うちの襖を綺麗に変えたいから、紙を作って欲しい、と。それはご住職さんから直接唐紙屋さんではなくて、表具屋さんを通すんですね。お抱えの表具屋さんっていのうがちゃんとあるんです。

 

VATE:そうですよね。

 

それでいろんなリクエストが表具屋さんに伝わって、表具屋さんが唐紙屋さんにこんな襖作れますか?と来る。ああ、ほな作ってみますっていうのが本来の在り方だと思うんですよ。多分ね。