写真:河合智子
tomokokawai

VATE:とはいっても、歴史のあるところですよね。

 

最初は企画デザインというポジションがあったんですよ。職人募集という感じではなかった。

 

VATE:ではそのポジションで入られたと。

 

そうですね。ただ、何か企画しろって言われても、唐紙のことを何もわかってないのに企画なんかできるわけがなくて。

 

VATE:それはそうですね。

 

そうこうしているうちに、実際に職人さんにつくってみろと言われて教えて頂いてたんです。夜な夜な一人でずっとやっていたら、いつしかそのポジションに落ち着くことになったんです。

 

VATE:嘉戸さんは実際に唐紙というものに、どう入っていかれたんですか?

 

アメリカで勉強している時、例えばロゴを考える時なんかに物事をシンプルにする唐紙の文様がたくさん入ってきたんですね。どちらかというと襖とか文化財ではなく、グラフィックデザインとして捉えながら入っていったんですね。

 

VATE:なるほど。

 

唐紙って、ほとんど和紙とか伝統工芸・建築とか、お茶とか千家好みとかっていう方向から入ってくるじゃないですか。僕はグラフィックデザインという方向から入ってきてるから、多分他の人とは全く見方が違うと思うんです。なので、話すことも違うし、やれる仕事も違う。

 

VATE:グラフィックデザインという方向から入ってくると、アプローチはどう入るんですか?

 

まずは文様。もう最初は確実に。あとは色合わせとかですね。なぜこの色に、この色?みたいな。