ライブにて

美しさって、いろいろなところに潜んでいると想う。

VATE:イントロの数小節でその場の空気が変わるからすごいですよね。

大塚さんはイントロで特に気をつけられていることとかってありますか?

 

ベースが主にイントロのイメージを作って先に出ることはあまりないので。だいたいはピアノやギターなど、コード楽器が先に始めます。そのムードを汲み取ってその世界を続けたり広げたりできたらいい感じなのではないでしょうか。イントロのイメージって本編にまで続いていくものですから大事ですね。

 

VATE:スローな曲でもうねるグルーブがあったりしますが、その正体って一体なんでしょうか?

 

グルーブはタイミングが早い、遅いのような平面的な、音の出る瞬間だけのことではないと思います。その音やリズムが発生するときの、例えば心臓の鼓動のようなものの、血が送りだされる感じというか、音が出る前から、余韻が消えるまで、もしくは次の音がでるまでの、一連の動きすべてがグルーブなのでは。その動きの軌跡が、曲やジャンルによって違うんじゃないでしょうか。

 

VATE:アドリブを弾かれる時、何を拠り所にして弾かれるんですか?

 

アドリブのよりどころはどうしているのかなあ。あまりこだわらず、聞こえてきたまま、思いつくまま、自然に話をするようにアドリブができるのが、いちばんいい状態かしらと思います。たくさんしゃべりたいときもあれば、すこしでいいときもあるし、素直にやれればいいですねえ。

 

VATE:音楽をやっていて、よかったと思われる点はなんですか?

 

表現できる、という喜びと、それによって人に喜んでいただけるという喜びで二度おいしいところですかね。

また、音楽を通して、まだごく一部ですが、いろいろな普遍的なことに気付けたり、それを生活に反映できたりするのはとても有意義です。あと、美しいものを追求していけるという、芸術的な部分も素敵です。流れのままに来ましたけど、いいところに流していただいて(笑)感謝してます。

 

VATE:大塚さんが考える「美しさ」ってなんでしょう?

 

む、難しいですね。

今の私の場合は、理屈抜きに気持ちをゆさぶられる感じかな?それで、さらに心がプラスなほうにふわ~んてなる。で、マイナスな感情の入る余地がなくなる。美しさって、音楽の中以外にもいろいろなところに潜んでいると思うんですよ。人の行動の中にも、切った野菜の中にも、一瞬の風景の中にも、なんかいろいろ、そしてたくさん。見つけなければ見逃すこともある。それを常に見つけ出す姿勢でいられたらよいですね。もちろん見つけ出さなくても圧倒的に美しいもの、こともありますが。