大手企業の研修にて

VATE:商社時代はどのようなことをされていたのでしょうか?

 

フィリピンやインドネシアといった国々に実施されるODA事業などに携わりました。日本の政府と現地の政府の間にたち、社会インフラ、地下鉄や空港などを提供するプロジェクトです。

 

VATE:幼い頃からやりたかったことですよね。

 

ええ。ただ、喜びを感じる一方で、これは果たして自分にしか出来ない仕事だろうか?より短期的に、より直接的な社会貢献の仕方があるのではないか?より自分らしく、自分にしか出来ない方法があるのではないか?と次第に考えるようになりました。

 

VATE:それでどうされたんですか?

 

新たな一歩として、異業種交流会をはじめました。イベントやボランティア、勉強会などを行うオープンな場で、何でも話し合い、楽しく学べる場を作ったんです。

 

VATE:そこで例えば、社会問題について話をされたということなんですか?

 

そうですね。ただ、いきなり南北の貧富の問題について話し合いましょう、と誘っても誰も参加してくれません。楽しんで参加できる仕掛けが必要なんです。

 

VATE:その仕掛けとはどんなものなんですか?

 

いろいろありましたが、中核はトレーディングゲームというもので、もともとはイギリスのNGOが開発した体験型ゲームなんですが、それを応用して独自のビジネスゲームを作りました。諸問題を語り合うとき、ストレートに取り組んでも反応は弱いのですが、自ら体験し、楽しみながら理解を深めるこのゲームを行ったあとの飲み会では、社会の様々な問題について、あちこちで議論が自然におこるようになりました。

 

VATE:その異業種交流会は話題となり、3,000人くらいのネットワークに成長したんですよね。

 

そうです。このように内容のいいものは自分のネットワークだけにとどめず、ぜひ学校教育でやればいいと思うようになっていきました。