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gallery ROCKET

VATE:それでプレスに名前が出ていったんですね。

 

気が付くと雑誌に信藤さんが認めた若手建築家集団みたいな書かれ方をしてましたね。それでワッと名前が出たんです。ただ、最大瞬間風速はあるけど一発で消えるなと思っていたので、次の事も考えてましたね。

 

VATE:常に先をみてらっしゃいますね。その後はどうでした?

 

CAPの藤本さんが表参道の同潤会にギャラリーを作りたいとラフォーレの方にお話されていて、その話をラフォーレの方から聞いたんですね。

 

VATE:面白そうな話ですね。

 

いや、でも予算がめちゃくちゃ少なくて。まぁセルフビルドですね。それで食らいついていったんです。

 

VATE:それは魅力的な案件だったんですか?

 

絶対にこのギャラリーはブレイクするなと思ったんです。なので最初の展覧会はお決まりですか?って聞いたら、ぜんぜん決まってない。じゃ、うちがやりますわという話で(笑)。作った本人がやるべきだ!と。

 

VATE:割と強引ですね(笑)。

 

そうですね。テーマも「インテンショナリーズ最前線」。でも作品もないじゃないですか。それで僕たちとグラフィックのチームでコラボしたやつを見せようと思ったんですね。

 

VATE:実際どういう作品を展示されたんですか?

 

ポスター展示したり、場が持たないのでCDを作ったり。その当時はカセットですね。ミックスカセットを売ったりとか(笑)。でもそれがその後gallery ROCKETの標準フォーマットになっていくんですけどね。

 

VATE:実際展覧会は如何でした?

 

まだネットも無い時代ですからね。電話をかけまくって、いろんな人脈も利用させてもらって表参道、まぁ当時「同潤会アパート」でしたけど警察が来るくらい人が来ましたね。次の日には若手デザイン事務所の展覧会が表参道ジャックみたいに新聞に出たんですよね。それでこいつら何者だって事にちょっとずつなっていったのかな。

 

VATE:そのイベントの収支はどうだったんですか。

 

もう経理的には完全に赤字ですよね。それで少し世の中の注目は浴びるようになりましたけど、当然亜流扱いなんですよ。なんか消えものみたいな。まぁ、そういう事をやってるのが第一期でしたね。それで予定通り3年で第一期を終えて、インテンショナリーズをどうしようかと。

 

VATE:え、それでやめちゃうわけですか?

 

それでやめるところなんですが、周囲からも続けなよと言われて、僕だけで続けることにしたわけです。でも3人でやってますというのをブランディングしてたので、それが尾を引いて、ひとりってあんたダメじゃないの?みたいな空気に(笑)。

 

VATE:ギターとベース抜けちゃったみたいな感じですか。

 

そうそうそう。ドラムのやつが何言ってんだみたいな(笑)。逆にそれが試されてるんだろうなというのはありましたね、自分の中で。