カフェサロンメニュー

カフェをやったおかげでやりたかった仕事に近づいている。

VATE:田井さんはその後、会社を運営される傍ら、ご自分のカフェをオープンされるわけですが、

これはどういったことですか?やはり飲食店を経営してみたくなった、という事なんですか?

 

これがまた長い話になっちゃうのですが(笑)簡単にいきますね。5年前まではとあるビルの中で事務所を借りていたのですが、「直接お客様(エンドユーザー)とふれあう仕事もしたいなあ」ということで路面の物件を探して移転したんです。それが現在のカフェのある場所なのですが、最初は個人向けのデザインショップをやるつもりだったのです。

ただ、デザインの仕事が忙しかったり、個人的に母親が倒れたりということがあって、借りたスペースの半分を使わないまま1年くらいが過ぎてしまいました。ちょっと落ち着いた頃に、「とにかくもったいないし何かやろう」「手っ取り早いのは昔やってた飲食店だ」「飲食店といっても得意なのはコーヒーとサンドイッチだ」「小さなカフェでもやって、デザインの仕事の打ち合わせなんかもできたらいいなあ」「どうせなら内装や家具も全部デザインして楽しくやろう」というわけで、カフェをオープンしたのです。

 

VATE:ではなんというか副業として始められたという事なんですね。

カフェを経営する、という事は本業に何か影響を与えましたか?

いい影響、悪い影響、いろいろあると思うのですが。

 

カフェをオープンしてから1年近く赤字だったので大変でした。本業で頑張って乗り切ったという感じですね。でもいまは逆に本業の方を「カフェを軌道に乗せるまでの様々な試行錯誤を活かした飲食店向けのデザイン業務」にシフトしつつあるので、カフェをやったおかげで会社設立時にやりたかった仕事に近づいています。

 

VATE:なるほど。グラフィックデザインの仕事はともすれば

エンドユーザーからは少し遠ざかったポジションになってしまう事もありますもんね。

カフェはお客さんとすごく近い距離にあるわけだし、

そういう面で本業の方にも良い影響を与えているという事でしょうか?

 

影響と言えるかどうかわかりませんが、カフェを始めた頃はデザインの仕事と飲食業というのは別の種類の仕事だと考えて2足のわらじを履いているような意識を持っていました。ところが、色々と試行錯誤するうちにどちらも「サービス業」だということに気付き、仕事をする上での考え方や方法論は共通だと思うようになりました。「いまはデザインとカフェでみなさんにちょっとしたハッピーをお届けする」のがウチの仕事だと思っています。