VATE:で、バンドを組まれたと。

 

そう。ファンクを主体にプラスブルージーなギターっていう自分がやりたかったバンド。

 

VATE:じゃあもう納得して音楽ができてたって事ですか?

 

うん、スタジオミュージシャンとかやってた時のような矛盾したモノはなかった。まぁ全然うまくは弾けないけどね。でもそういう違和感はなかった。

精神的には満たされてたけど、今度は腕の方が着いて来てなくて。その後、教えるのも好きだったから、音楽学校に教えに行くようになって。今でもやってるけどね。教えるのは楽しい。若い奴らと一緒に騒ぎながら、楽しくやってる。

 

VATE:じゃあ京都に帰ってこられてからはバンドをやりながら、音楽学校で教えてっていうスタイルになってこられたんですね。

そのスタイルは続けようと思っておられるんですか?

 

うん。自分が芸人として、芸の道を究めるまでは続けようと思ってるから。自分が人前に立つことによって、お客さんが喜んでくれる、そういうのを実感していきたい。お客さんとの間とか空間を共有したいから、ずっとやってるんやね。お客に楽しんでもらおうと思うと、やっぱり自分達が楽しまないとダメだし。自分が楽しんでる姿を見て、お客さんが楽しんでくれるっていうのがすごくいい。

 

VATE:なるほど。でも実際のところ、どうなんですか?やはり人間だし、良いときもあれば、悪いときもありますよね。

ライブの仕事がある時だって、気分が乗らない時もあるでしょう?そういう時に自分のモチベーションをどう高めて行くんですか?

 

でもね、良い時ってのは年に1日か2日ぐらいしかないよ。あとは全部調子が悪い。精神的にも肉体的にも。それをどうやって高めていくかっていうのが毎回のテーマで、調子が悪いからこそ頑張らないと。もちろん長年の経験もあるから少々の心得はあるけどね。

 

VATE:うーん、でも調子が悪い時っていうのは大変ですよね。

モチベーションを高めていくっていうのは簡単ではないですよね?

 

まぁね。でも自分が調子悪くても、バンドのメンバー全員が調子が悪いとは限らない。だから「あ、こいつ調子いい。」と思ったヤツを先に走らせて、それに乗っかってしまう。調子ええーやつのエネルギーをもらって、自分も高めていく。うまくお互いの力を分け合いながらやっていくって事。あとはお客さんのエネルギー。お客さんのエネルギーをもらって、自分を高めていく。