example1

example1

VATE:その後、アメリカへ行かれますがそれはどうしてですか?

 

親にもね、そういう様子が伝わるのでいろいろ言われてたんですね。兄貴が二人いるんですけど、二人ともアメリカに行ってたんです。それでちょっとアメリカに行っとかないとダメかなぁみたいな(笑)。

 

VATE:実際にアメリカに行かれたんですよね。

 

ええ。それで、飛び立ったその日に阪神大震災があったんですよ。着いたら当然なんかね、インド人のデリの親父に「お前なんかすごいことになってるよ、日本は。」と言われて。なんの情報もなく見せられたから、最初は戦争が起きたんだと思いました。

 

VATE:確かに壮絶な光景でした。

 

高速道路が倒れてる光景にインパクトがありすぎて。その旅の行程で先輩がいるニューヨークの大学院に行ったんですが、その世界にまったくリアルティが無かったんですよね。なんか世界で闘う感がもうちょっとあるのかと思ってたんですけどね。

 

VATE:それでアメリカの大学院には行かれなかった?

 

英語はできるようになるけどちょっと違うんだろうなと思ってやめました。それで会社をつくることにしたんですよね。26歳くらいの時です。

 

VATE:いきなり会社ですか。

 

やめてどうしようかなと考えていた時に、武蔵美の時にイベントを一緒にやった先輩2人が同じ職場だったんですけど、アトリエを辞めたんですね。それで3人で会ったりしてね。これからどうすんの?みたいな話をして。

 

VATE:ええ。

 

その時は僕、聞き役に回ってたんですよ。会社の発起人でもあるんですけど、聞き役。彼らはとにかく良い物を作りたい、と思ってました。それで評価をされたいと。

 

VATE:鄭さん自身はどう思われてました?

 

僕はずっとDJとしてプロの活動をしていたので、セルフミックスの経験があるんですね。そういう視点からも彼らの経験と僕の経験を活かせば何とかなるだろうと思ってました。

 

VATE:自信はあった?

 

出来るんじゃないかなと思ってました。