自分がやろうとしている事の重大さに気付いた。

VATE:でもなぜそんな構想が?

 

自分の経験ですよね、やっぱり。僕も37歳ぐらいで仕事でも家庭でも地域でも、どんどん責任が重くて、ましてや上司と衝突したりと辛い時期に、自分の仕事に対してもこれでいいのかって思ったりもするわけです。自分と同じ様な人間はどんなことを考えているのか知りたい。でもそういう事を知る術がなかった。だから、自分がそういうものをまず作ろうじゃないかと。

 

VATE:でももっと気軽にまわりの友人や何かに聞いてもよかったんじゃないですか。

 

本来はそうかもしれません。でも僕は活字に頼るタイプだったんですよ。それが一因ですよね。僕の後輩たちも同じ様な想いをする人がいると思ってね。その人たちの役に立つものを作りたかったんですよね。折しも早期退職制度が各社で出始めた頃でした。

 

VATE:しかしそれでやっていけると思われましたか?

 

僕は猪突猛進型ですからね(笑)。でも周りには反対されましたよ。主旨はわかるけど、食べれないから止めておけと。

 

VATE:もちろんご家族も?

 

そうですね。でも妻は言ってくれたんですよ。「いままで家族のために本当に頑張ってくれて、感謝してます。」って。じわ~っときちゃいましたね(笑)。

 

VATE:では了承は得られた?

 

ちゃんと相談してましたから。でも、やはり不安ですよ。だんだんそれが強くなってくるしね。その変化をあまりみてあげれなかった。それで怒られた事もありました。

 

VATE:しかしそのプロジェクトを進められていくわけですよね。

 

ええ。それまで現場主義でいろんな方と接触してますし、自信もありました。けっこう簡単に考えていたかもしれないですね。で、まずは周りの人たちに取材をはじめました。でもやり始めると、自分がやろうとしていることの重大さに気付いてきましたね。