ジョン・レノンで自分の生き方が決まってしまった。

VATE:その当時はどんな音楽をされてたんですか?

 

何でも。その当時は音楽の右も左もわからなくて。ブルースをやってると、よくストーンズ派?とか言われるけどその当時からビートルズが好きでね。それもジョン・レノン。ジョン・レノンで自分の生き方が決まってしまった、みたいなところがある。

 

VATE:ジョン・レノンで?それも意外な感じですね。

ブルースをやりたくてミュージシャンになられたのかと思ってました。

 

ジョン・レノンみたいに音楽をやりたかった。まぁなかなかそんな風にはできなかったけどね。米軍も3年ぐらい行ってたかな。特に英語が喋れたわけでもないし、だいたい標準語もしゃべれへんし(笑)。でも友達とか出来てきて、黒人の米兵なんかにブルースとか聞かされるわけ。

 

VATE:それからブルースを聞かれるようになったんですか?

 

いや、それがブルースかどうかも当時は全然わからないし、だいいち聞かされた曲をどう聞いても良いとは思えなかった。一番これがええブルースや、って聞かされたんがマディ・ウォーターズやったけど、どこがええねん?!って感じで。とにかく好きじゃなかった。全曲一緒やん!って(笑)。

 

VATE:そうだったんですか。でもじゃあなぜ黒人音楽に惹かれていったんですか?

 

ある時にオーティス・レディングを聞かせてもらって。その時になんでかわからんけど、ポロっと涙がでてね。なんでコレに自分が感動してんのかわからへんけど、なんかポロって泣けてしまったんやな。そっから黒人の音楽ってモノがええんちゃうかなと思ってきた感じかな。

 

VATE:それまで黒人音楽が好きってわけではなかったんですね。

 

全然違う。でも黒人音楽に関心はあったね。ウッドストックっていうライブフィルムを見た時に黒人音楽ってものを目の当たりにして、ものすごいショックを受けた。ビートルズが見たくて映画館に入ったのにウッドストックの衝撃にビートルズが吹っ飛んでしまったというか。まぁビートルズのフィルムは何回も見てたっていうのもあるけど(笑)。

 

とにかくそのフィルムを見た時にジミ・ヘンドリックスとスライアンドファミリーストーンなんかがすごいと思った。何かよくわからんけど、黒人音楽はすごいぞって。それでファンクとかに関心を持つようになって、米兵が聞かせてくれたオーティス・レディングをきっかけに黒人音楽に流れていった。